■ペースランナー 頭に風船、選手の目印

 フルマラソンには設定された四つのタイムごとに2人ずつのペースランナーが出走した。おそろいのピンク色のビブスを着用し、目立つように頭の上には風船を付けて選手の目印になった。

 沖縄県出身の会社員具志堅守さん(35)は、3時間切りを目指すランナーをサポート。1キロ4分10秒ペースの正確な走りを見せた。20年を超えるマラソン歴があり、自己ベストは2時間39分という具志堅さんは「選手の好記録達成のアシストできて光栄。ペース配分の声掛けが効果的だった」と話していた。

 熊本県の会社員前田淳子さん(54)は、4時間のペースでランナーをけん引した。「女性の市民ランナーにとって、4時間切りは大きな目標」と言い、選手を励ましながら笑顔でゴールした。

■メディカルランナー 万一に備え医師ら100人

 レースと並走しながら選手の体調不良などの緊急事態に対応する「メディカルランナー」として、医師や看護師、救急救命士合わせて約100人がボランティアで参加。走りながら周囲を観察し、救護の面からランナーを支援した。

 フルマラソンを6時間以内で完走した経験がある医師らを募り、九州一円や遠くは関東から医療従事者が集まった。携帯電話や人工呼吸用マスク、ばんそうこうを携帯し、命に危険が及ぶような場合には救護本部や消防機関へ連絡を行うことなどを確認して、本番に臨んでいた。

 この日佐賀市では今年の最高気温20・1度を観測。まとめ役の松永高政医師(39)はスタート前のミーティングで「終盤に差し掛かるころには脱水症状が心配される。スタッフと連携して迅速な対応を」と呼び掛けていた。

■自転車AED 機動力生かし目配り

 佐賀県内の消防署員や自衛隊員のボランティアで編成する「移動AED(自動体外式除細動器)係」が自転車でコースを並走。心停止など緊急事態が起きていないか、ランナーの様子を注意深く見守った。

 救命措置のプロ46人が2~3人1組となり、約20台のAEDを機動的に運用した。

 鳥栖・三養基地区消防事務組合の戸塚隆徳さん(34)と鮫島良太さん(26)は、序盤の区間を担当。沿道から通過するランナーに目を配り、顔色が悪い人や苦しそうに顔をゆがめる人に「大丈夫ですか」「足つったりしてませんか」と声を掛けた。

 鮫島さんは「気温が高かったので脱水症状や熱中症にも気をつけた。(担当区間では)緊急事態というほどの場面がなくてよかった」と胸をなで下ろしていた。