桜の花びらのように紙吹雪が舞う中、ランナーが駆け出していった。1万人超が肥前路を力走した19日の「さが桜マラソン」。沿道に繰り出した人たちは桜を模した帽子をかぶって応援したりピンクの風船を飾ったり、思い思いのアイデアでコースを桜色に染め上げ、一緒に楽しんだ。

 大会は、ランナーが熱中症にならないように開催時期が例年より2週間早くなった。スタート地点には、本格的な桜の開花を前に花をつけた苗木が飾られた。淡い紅の紙吹雪がランナーを華やかに送り出した。

 近くでは、手作りの桜の帽子をかぶったグループが声援を送った。福岡県大野城市から訪れた峯啓子さん(67)は「帽子に三色団子も加えてみた」とほほ笑み、ランニング仲間の緊張をほぐしていた。

 沿道には8万人(主催者発表)が応援に繰り出した。佐賀市伊勢町では地元の女性が造花の桜を振った。光武順子さん(79)は「息子の応援で毎年来ている。ほかの皆さんにも春を感じてもらえたらと思い、娘に用意してもらった」。

 40キロに差し掛かる直前、佐賀市高木瀬西の北陵高校前には2000個のピンクの風船やバルーンアート、激励の短冊が飾り付けられた。地元で建築業を営む福島司さん(52)と自治会メンバーら約20人が準備し、最後の踏ん張りを呼び掛けた。

 福島さんは「少しでも沿道を華やかにしたかった」と話し、「次はコースの別の場所にも飾り、桜マラソンをもっと育てていきたい」。わが町の一大イベントへの愛着を深めていた。

 励ましや春の演出はランナーにも届いたようだ。唐津鏡体育協会の上野剛士さん(32)は「足がつってリタイアしそうになったけれど、皆さんの声に背中を押してもらった」。スタート時点では集中しすぎて意識しなかった「花吹雪」も、ゴールに向かう途中で足元に広がっていることに気づき、「春気分を味わえた」と充実感をにじませた。